[ コンサルティングのスタンス
] [ プロジェクトとその成果 ]
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◆コンサルティングのスタンス
地方分権一括法が施行される前に福田が提唱した、地域としての社会・経済的自立と自治体としての財政的自立を両面からマネジメントする「地域経営」というコンセプトは、ここ数年で広まりました。ですが、国から自治体に税財源移譲が進まないこと、自治体内の縦割りの仕組み、交付金や補助金に依存する地域(民間)… などの現実があり、実現には、まだまだほど遠い理念かも知れません。
地域経営コンサルタントを掲げてからの十数年間は、「地域全体の価値づくり」や「多様な主体の関係づくり」や「実効性を担保した政策立案」を数多く手掛けてきました。社会・経済や市場の立地特性の徹底した分析とともに、声を出せない人たちの声をFace to Faceで拾い、1000人1000色の『本音』や『心』と厳しく向き合うことが、福田のコンサルティングのスタンスであり、手法です。
地域の古い"しきたり"に風を通したり、事業者や住民の方々の自立意識を促すための苦言を呈したり、自治体の縦割り崩しに奔走したり、政治力との板挟みに遭ったり…。正直、そのプロセスにおいて、コンフリクトがなかったプロジェクトはなかったでしょう。
以下は、他社との提携業務を含め、福田がプロジェクト・リーダーとして現場に入り、地域や行政(国&自治体)の方々とともに、大きな成果を挙げたものです。
プロジェクト一つ一つで、政策立案の新技術の開発、計画策定の新プロセスの開発、「新しい予算」のあり方の企画・スタディ、地域経営型の事業構築などを行い、かかわった地域社会への貢献を「形」として残すべく、常に『社会への提案型』のコンサルティングを実践しています。
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◆プロジェクトとその成果(2000年以降)
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1) 神津島の村づくりに向けた調査&計画、自立・振興策のプログラム化
クライアント
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旧国土庁離島関係課、神津島村
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実施期間
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1998年9月〜2001年3月
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コンサルティング内容
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地域振興と自立・自治のあり方を目的に据えた総合計画の策定支援。組織内や地域内での補助金問題にメスを入れ、縦割りを崩した自立的な地域経営の理念を確立した。そのプロセスで、村長や助役、全課課長による政策決定の横断会議も実現。計画策定プロセスの改変とともに、全国でも初めての、新しい総合計画の体系(戦略プロジェクトと縦割り専門事業との二分化)と「プロジェクト実行度の管理」の手法を提案した。
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地域や社会への成果
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2000年4月に地方分権一括法が制定された背景もあり、その新しい計画策定の考え方や手法が高く評価され、2001年の『地方行政』や出版物『自治体実行主義 〜地域を経営するプロデュース型行政への転換〜』で紹介。今では、提案した計画体系を採用している自治体もある。
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2) 小笠原の自立振興に向けた調査・計画、 具体的な自立・振興支援、島民会議の実施
クライアント
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小笠原村議会&小笠原村
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実施期間
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2001年9月〜H2004年6月
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コンサルティング内容
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地域振興と自立・自治のあり方を目的に据えた総合計画の策定を支援。小笠原の特別措置法の改正に伴う、100%補助からの脱却を島民に投げ掛ける一方で、飛行場整備の凍結問題についても島民に問う。2ヶ年の村議会の政務調査で、島内では初めての島民参加を実施し、「自立策への提言書」を策定。全島民向けに広く広報も行った。並行して、議会と行政の政策調整を行い、自立を掲げる村総合計画の策定支援を行った。
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地域や社会への成果
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各活動団体や島民とFace to Face で話し合うことにより、それまで島の将来について声に出すことができなかった島民の本音(自然や観光への想い)を聞き出す。計画づくりに終始せず、島民や関係者の想いや自立意識をつなぎながら、世界遺産登録候補やエコツーリズムへの現実の動きを加速させた。
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3) 播磨臨海地域における道路網計画の検討 (経団連および臨海部に立地する事業所の経済活動分析)
クライアント
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国土交通省姫路工事事務所
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実施期間
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2000年9月〜2003年3月
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コンサルティング内容
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自治体が求める自動車専用道路の整備の必要性について、一大工業地帯に立地する事業所(工場)や経団連に入り、道路交通センサスでは見えない物流の実態やルートを徹底的に調査。全国でも初めての「地域経済からみた総合交通体系のあり方」を、経済・産業者の側から整理した。6経団連や6自治体ごとの意見の相違を調整し、物流形態として自専道を利用できない現場(工場)の理論を計画論として提案した。
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地域や社会への成果
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「自専道は必要なのか?」の投げ掛けを、政治・行政的な判断に任せず、最大の利用者である産業・経済の実態から紐解く、新しい計画技術とプロセスを提示した。
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4) 世田谷区「子ども計画」&「子育て行動計画」策定、 計画実施に向けての「子ども・青少年問題協議会」小委員会の支援
クライアント
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世田谷区子ども部
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実施期間
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2003年9月〜2008年3月
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コンサルティング内容
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厚生労働省の次世代行動計画の全国モデル自治体プロジェクト。「子ども計画」策定時には、3部局(4課12係)に跨る庁内調整と区民・関係組織との調整。多くの官民施設の実態調査、様々なアンケートやヒアリングや2500のパブリックコメントを分析・整理した。計画策定後は、福田個人で、事業化に向けた専門家や区民の議論を数年にわたり支援している。
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地域や社会への成果
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計画内容と庁内の優れた作業・調整プロセスは『地方行政』で紹介。事業化実現に重点を置いた実効性高い計画として全国的な評価を得ている。区民からも「世田谷区の子ども政策の中味と、その実効性は全国・都内の中でも高い」との声が寄せられている。
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5) 嘉瀬川ダム&流域における地域振興の支援
クライアント
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国交省九州地方整備局 嘉瀬川ダム工事事務所
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実施期間
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2006年8月〜2008年3月
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コンサルティング内容
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嘉瀬川流域の地域振興やダム湖整備に伴う周辺施設の利活用について、地区住民を超えて町全体での事業者・住民参加を実施。森林組合、温泉事業者、商工会、農業者、学校、NPOなど、40の組織の経営実態を調査。
国・県・市・民間が待つ事業や計画を調整し、事業者たちによる地域振興事業「起業」を議論する懇談会運営と事業構築を支援している。
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地域や社会への成果
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国の事業プロセスの中で、国・県・市の行政間の横割りをなくし、流域における地域振興を総括的に調整・支援するという、全国でも初めてのモデル的業務。多様な主体を現実に動かすプロセスを導入し、国の公共事業にも地域的・文化的な価値をつける新たな計画論を提案・実践している。
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受賞
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国土交通省 国土技術研究会(2007年10月開催)
一般部門「暮らし・環境・景観」分野における優秀賞
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